コラム4 専業主婦がいる家庭の夫の言い分

男性に「家事は愛情表現」だから、奥さんからのラブレターだっていうことに気づいてあげてほしいという話をすることがあります。すると、特に社会的な地位が高く奥さんが専業主婦の男性は決まってこう言います。

「だったら、褒めればいいんでしょ」

さすがに会社で偉くなる人は理解が早い、けれど、ちょっと愛情ベクトルの方向がずれてしまっています。奥さんの行為を労働としてとらえて褒めようとしてしまうのです。

褒めるというのは、上手にできたときにそれを認めるという行為で、そこに込められた想い(=愛)に気づくというのはちょっと違います。料理や掃除や洗濯が上手だから褒めるのでは、上司が部下をほめるのと同じになってしまいます。

ラブレターをもらって褒める人はいません笑

そうではなく、奥さんの行為には思い(愛)があるんだよということに気づいてほしいのです。上手下手ではなく、「あ、こうやって君が家の中を愛でいっぱいにしてくれようとしているんだね」ということに気づいてほしいのです。それに気づいたときに、出てくる言葉が結果的に「褒める」言葉かもしれませんが、大切なのは、あなたの愛を奥さんが感じられるような言葉をかけるということです。奥さんにラブレターを書くような気持ちで。

それは「毎日ありがとう」と言う言葉かもしれませんし、「この料理すごく美味しいね」という言葉かもしれません。「トイレってすぐ汚れるのに、うちのトイレはいつも綺麗だよね」という言葉かもしれません。

家事を労働だと思えば、上手い下手が気になることもあるでしょう。でも、ラブレターであれば他人と比べたりはしないはずです。隣の奥さんのラブレターの方が上手だから、君ももっと上手に書いた方がいいなんていう人はいません。

「でも、僕が毎日仕事をしていることに、いつもありがとう、なんて言われないよ」

そう不満を言う男性もいるかもしれません。

それは、結果的にそうなってしまったということなのです。

奥さんの愛をまるで空気のようにやり過ごしてしまった結果、奥さんは愛の言葉を言えなくなってしまったのかもしれません。

奥さんのラブレターに、「専業主婦なんだから当たり前でしょ」と読みもしなくなった結果、奥さんも「あなたは夫なんだから、仕事して当たり前でしょ」と思うようになってしまったのかもしれません。

結婚前のことを考えてみてください。デートのときに彼女にお金だけ渡して「これでよろしく。細かいことは手配してね。君の分の映画のチケット代と食事の代金もそこから出していいよ。」なんて言ったら奥様は怒って帰ってしまっていたことでしょう。

もしかしたら、結婚後にそれに近いことをしてしまっていませんか?

「誰が給料を稼いでいると思っているんだ」なんて言う人はもういないかもしれませんが、もしあなたが会社の社長から
「誰が給料払ってやっているんだ」
と言われたらどう思うでしょう?

 

愛情の反対は憎しみではなく無視です。

奥様の愛情に対してもっともしてはいけないのは、それがなかったことのように振る舞うことです。

奥さんが家事に手抜きをしていると感じるとしたら、それはあなた自身が奥さんの愛に答えるのに手抜きをしているということなのかもしれません。

うちの妻はそんな気持ちで家事していないよ、と思う男性こそ要注意です。無視していた期間が長ければ長いほど、奥さんの方でも「家事は愛情表現」という気持ちを封じ込めようとしているでしょうし、逆に認めたくない(夫なんてどうでもいい)という気持ちにもなっているかもしれません。でも、愛情抜きに家事はできません。

私が専業主婦時代に、一番嫌だなあと思ったのは、夫に家事を頼まなければいけないことでした。
それは、頼まなければ愛情表現をしてくれないことに対する淋しさだったのかもしれません。

一度、家事が奥さんからのラブレターなんだという気持ちで生活してみてはいかがでしょうか。

もしかしたら、自然に「ありがとう」という言葉が出てくるかもしれませんし、少し手伝おうと思うかもしれません。それを続けていると、奥さんの家事も前よりも心のこもったものになり、

「あなたこそ、いつもお仕事大変ね。ありがとう」という言葉が返ってくるかもしれません。

 

 

 

専業主婦というのは、家事を労働として専門にやる人のことではありません。それは家政婦さんです。専業主婦というのは、家を愛でいっぱいにすることに専念する人のことです。

奥さんは、本当は夫であるあなたのことを安らがせたいと思っているし、子どもを愛でいっぱいな環境で育てたいと思っています。
家事はそのツールの一つなのです。毎日、家事をすることで家を愛でいっぱいにしているのがあなたの奥さまなのです。

今さら奥様に対してあからさまに愛情表現をすることに恥ずかしさを感じるという方は、「いただきます」と「ごちそうさまでした」を本気で言ってみるところから始めてみると良いかもしれません。

食事を作ることは、とても直接的な愛情の表現です。食事を作る作業は「献立を考える」「そのための食材をそろえる」「食材を洗い、切る」「調理をする」「盛り付ける」「調理器具を洗う」などなど、本当にたくさんの工程を必要とします。

それを多い時には1日3回も行っているのです。作るっている人は「何を」×「誰のために」×「どんな気持ちで」作っているのでしょうか「どんな気持ちで」には常に食べてもらう人への愛があります。

そして、その愛に対する一番わかりやすい感謝の言葉が「いただきます」「ごちそうさま」です。

それができるようになったら、ちょっとレベルをあげて「いただきます。ありがとう」「ごちそうさま、美味しかったよ。ありがとう」と言ってみてはどうでしょうか。

作る人の「どんな気持ちで」の部分が、その言葉をもらうごとにどんどんプラスになって、お料理もますます美味しくなることでしょう。

私は2年間だけ、専業主婦だった時期があります。最初の1、2か月は新鮮で楽しかったのですが、その後は自分の人生の中で精神的にとてもきつい2年間でした。今ならそれがなぜだか良くわかります。

専業主婦になると、家事を一手に引き受けるようになります。それは私だけが毎日毎日「あなたのことを愛しています」と言い続けなくてはいけないということだったのです。そして、夫が家事から遠ざかるごとに、夫の「愛している」の声はどんどん聞こえなくなります。

専業主婦は来る日も来る日も家事を続けます。愛していると言い続けます。愛されているという実感を感じられないままに。
奥様にそんな寂しい思いをさせていませんか?

専業主婦になることを選択した女性は、もともと家事が好きだった方が多いと思います。私にも経験がありますが、やりたいという気持ちがあれば、家事ほど楽しいことはありません。奥様がいつもニコニコ楽し気に家事をしている姿を想像してみてください。あなたまで幸せな気持ちになるのではありませんか?

 

【関連記事】

幸せ1  家事が家族全員のものになる

幸せ2  家事に達成感と幸福感が生まれる

幸せ3  家族に対する感謝の気持ちが生まれる

幸せ4  やり忘れの家事がなくなり家族の非常事態にあわてなくなる

幸せ5  家族や自分が抱えていた問題が解決される

幸せ6  人と比べなくなり自分流の家事・育児を楽しめるようになる

幸せ7  家族の歴史が紡がれていく

幸せ8  外の世界の愛にも感度が高くなる

幸せ番外編    社会問題としての家事労働

エピローグ 

 

コラム1  家事のテーマソング

コラム2 うまくいっている家庭は自然とやっている

コラム3  男性にとっての家事

コラム4  専業主婦がいる家庭の夫の言い分

コラム5 家事と仕事の相乗効果

コラム6   あなたは夫婦で幸せになりたいですか?

 

 

FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに追加