幸せ6 人と比べなくなり自分流の家事・育児を楽しめるようになる

 

私が出産したころも今も、なぜか「三歳児神話」というのが文字通り神話として人の口に上ります。

「子供は三歳頃まで母親自身の手元で育てないとその子供に悪い影響がある」

こんなのあくまでも神話なんだから気にしない、と思っていましたが、新米ママにとってはこういうちょっとした脅しが、ボディブローのように徐々に徐々に効いてきます。

万が一、子どもが世間から後ろ指さされるようなことになったら、私が三歳まで子どもを手元で育てなかったからだって自分を責めるにちがいありません。実際若者の凶悪犯罪が起きたときには、その子の育った生活環境をメディアは根掘り葉掘り調べ、父親はどうだった、母親はどうだったと報道します。

同じようなハラスメントはいくつもあります。

「帝王切開で生むと子供に悪影響がある」
「母乳で育てない子は弱い」
「おばあちゃん子は三文やすい」

こういう言葉を現代流にアレンジして使うようにしたら良いのではないでしょうか。

「三歳ころまでは、子どもに愛情をあふれるほどたっぷり注ぐことが大切なのよ」
「母乳をあげているときのように、愛情いっぱいにミルクをあげるといいわよ」
「帝王切開だと産後の体が大変でお母さん一人で赤ちゃんへ愛情をたっぷり注ぐのは難しいから、色んな人に助けてもらってね」
「おばあちゃんの愛情は優しさではぴか一だから、両親が優しくて強い愛情を教えてあげれば完璧ね」

母親が一番しなくてはいけないのは、子どもに接している“その時間”に、十分な愛情をたっぷり注ぐことだと思います。そして、母親以外の人が世話をする場合でも、子どもが十分な愛情を感じるようにできることが大切なのだと思います。

そのために、「育児リスト」を活用してみてください。

こういうことをしてあげれば、この子は幸せだろうなあ、というリストを作って色んな人と共有できれば、皆がそれぞれの立場で子どもの幸せのために愛情と時間を使うことができます。

私自身の経験を言えば、子どもが小さいときに、「早期教育」が大切だとか「英語は小さいころから」とか、いろいろな情報に振り回されました。今思うと、小さいころに我が子に与えた教育と今の子どもたちが身に着けている知識にはほとんど因果関係はないように見えます。

むしろ、色々な子どもを見ると、愛情いっぱいの家庭で自分をありのままに受け入れてもらえていた子どもの方が、成長の伸びしろが多いように感じています。

「愛情を与える」ということを難しく考える必要はありません。家事をする、世話をする、遊ぶ、楽しむ、そういう普通のことをできるだけ心をこめてやれば良いだけなのです。

だからといって、毎日手作りの食事で家は隅々までホコリ一つなく、なんてがんばららなくても大丈夫です。育児リスト・家事リストを作って、終わったらサインをする、こんな簡単なことを毎日繰り返すだけです。家事や育児は毎日毎時間細かい作業を果てしなく繰り返すことですが、それはまさに継続の力そのものなのでしょう。

子どもは、家庭が愛情いっぱいでさえあれば、世話を母親が手元でやろうと、父親が手元でやろうと、父母以外の大人がどこか別の場所でやろうと、まったく問題なく育ちます。

問題があるとすれば、母親である妻が家庭で夫からの愛情を感じられないことです。

「産後クライシス」という言葉があるように、今それは社会問題になりつつあります。私自身もそれを経験しました。原因は、家庭内の愛情バランスの崩れにあるのではないでしょうか。

出産後、家事に育児が加わり、しなければいけないことが倍増します。
ところが、妻が育児休暇をとっている場合には、妻が家庭にいるという安心感から、夫は逆に仕事量を増やしてしまう場合もあるのです。

そうすると、夫は家事・育児するチャンスを失ってしまい、妻や子どもに対するに愛情表現ができていない状態になってしまい、そのことだけでも妻は大きいダメージを受けます。

産後は子どもへの夜中の授乳もあり、セックスの頻度も激減してしまうため、直接的な愛情表現もままならず、家庭内の愛情バランスは、妻が与えるだけになってしまいがちです。

そうして、家事・育児の負担の多い妻はどんどん被害者意識を持ってしまうのです。

そうならないためにも、ぜひ「家事リスト」「育児リスト」を活用してください。「家事リスト」では夫から妻へ、妻から夫へ愛情を与え合っていることを確認できることでしょう。「育児リスト」では、妻も夫も、子どもに対して溢れる愛情を与えていることを確認できることでしょう。

子どもの出産は家族にとっての生活を一変させる一大イベントです。それは、育児という家事が増える分、愛情を与え合うチャンスが増えると考えると、このチャンスをどう生かすかでその後の結婚生活がまったく違ったものになります。

ぜひ、今まで以上に愛情と優しさと感謝を与え合える幸せな家庭へと進化してください。

私の友人もまさに産後クライシスの状態でした。

出産後職場に復帰した私の友人は、お母様が家事を苦にせず淡々とこなしているのを無意識に手本にし、それができない自分に苦しみ、ご主人に八つ当たりして喧嘩が絶えない状態だったそうです。

特に仕事復帰後の休日は家事に追われ、喧嘩もふえ、平日の仕事中がかえって息抜きになり、家に帰るのがつらかったと言っていました。
彼女に 「家事リスト」と「与え合いの家事」のことを紹介したときには、「でも、私あまり家事していないかも・・・」と言っていました。
よほど自信を失っていたのでしょう。

ところが、実際「家事リスト」を作ってみたら、思いのほか自分がたくさんの家事をしていることに気づいたそうです。真面目な女性ほど、自分を追い込んでしまうのかもしれません。

「家事リスト」は、自分を追い込みがちな女性が自信を取り戻すきっかけにもなります。

彼女は『「家事リスト」って、作り始めるまでは面倒くさいと思っていましたが、作り始めたら面白くてやめられなりました。おかげさまで家庭が平和になりそうです。』と言っていました。

私自身も、保守的な家庭で育ったので、夫に家事をさせている自分にうしろめたさを感じてしまうことがありました。
また、夫の親がどう思うだろうかなどといういらぬ心配もしていました。でも彼から家事を取り上げることは、彼が家族に愛情を注ぐ大切な機会を奪ってしまうのだということに気づきました。

家族全員が愛情を与え合うほうが、妻一人で行うより何倍も幸せになるに決まっています。今では夫が家事をするのを「ありがとう」と素直に受けられるようになりました。

働く女性にとって、仕事と家庭の両立を問題と考えている人は多いと思います。

そんな女性たちに、私はあえて「仕事と家庭を両立しようなんて考えないで!」と言いたいです。

仕事と家庭はまったく別のフィールドのものです。

そしてそれは両方やるのが一番自然な形なのです。

仕事は外に向かってあなたの能力を発揮する場ですが、それはベースの家庭が幸せであって初めて意味があります。

家事を夫や家族とシェアすることは、家庭の幸せを作る行為そのものです。できる範囲で、無理せず、たっぷりの愛情をかけて行ってください。そして夫からもたっぷりの愛情を受け取ってください。

家庭が愛情でいっぱいになれば、外野からの無言のプレッシャーや、ハラスメントが脅威ではなくなります。いろいろなアドバイスはエッセンスだけありがたく受け取りましょう。

自信をもって、ただただ家庭を愛でいっぱいにしてください。家事はそのための有効なツールの一つです。せっかく結婚したのですから、自分たちがより幸せになれるやり方を見つけていくというのは、結婚の醍醐味そのものだと思います。

育児ハラスメントには、幼稚園バージョン、小学生バージョン、思春期バージョンと色々あります。

特に食事に関するものはどの世代にも根強く残ります。日本人がいかに食事を大切にしているかという素晴らしい文化的背景があるのでしょうが、働く母親にとってはなかなか育児をハードルの高いものにされて、それができないことで傷ついてしまうこともあります。

「食育」

私はこの言葉を聞いたとき、「ああまたか、そうやって働く母親のハードルを上げるから日本では女性労働が進まないんだ!」という怒りを感じました。
分かっているんです。食事が大切なのは。だけど働く母親が三度三度子どもの食事に時間をかけることなどできるはずもありません。

何度も繰り返しになりますが、家庭が愛情でいっぱいの家庭で、おかしな子どもが育つはずがありません。食事に気を配るというのは、愛情の結果です。
愛がいっぱいの家庭の食事は、それだけで栄養いっぱいです。

食事は「何を」ということももちろん大事ですが、「誰と」「どんな気持ちで」食べるのかがより重要な意味をもちます。

子どもが「嬉しい気持ちで」「愛されていることを感じながら」、「両親と一緒に」食べる食事以上に、心と体が栄養(愛)で満たされるものはありません。

家庭を愛情いっぱいに育てるための有効なアドバイスは、どんどん取り入れましょう。

家庭の愛情をギクシャクさせてしまうようなアドバイスは、「ありがとうございます」と言って自分流にアレンジしてしまいましょう。

あなたの家庭は、あなたとあなたのパートナーが満たした愛で十分幸せになります。

家事は愛する人の笑顔が見たくてしていることなのに、逆に家庭から笑顔を奪うものにしておくなんてもったいないと思いませんか?

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プロローグ 家事と言う名のラブレター

幸せ1  家事が家族全員のものになる

幸せ2  家事に達成感と幸福感が生まれる

幸せ3  家族に対する感謝の気持ちが生まれる

幸せ4  やり忘れの家事がなくなり家族の非常事態にあわてなくなる

幸せ5  家族や自分が抱えていた問題が解決される

幸せ6  人と比べなくなり自分流の家事・育児を楽しめるようになる

幸せ7  家族の歴史が紡がれていく

幸せ8  外の世界の愛にも感度が高くなる

幸せ番外編    社会問題としての家事労働

エピローグ 



コラム1  家事のテーマソング

コラム2 うまくいっている家庭は自然とやっている

コラム3  男性にとっての家事

コラム4  専業主婦がいる家庭の夫の言い分

コラム5 家事と仕事の相乗効果

コラム6   あなたは夫婦で幸せになりたいですか?

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