幸せ番外編 社会問題としての家事労働

もともと、家事労働というのはマルクス経済学用語の一つなのだそうです。

つまり、資本主義社会の中で誰かがそう決めちゃった考え方の一つにすぎないのです。
普遍的な真理ではないということです。

それを聞いたとき私は

「もう、マルクスさん、なんてことしてくれちゃったんだ!」

と、叫んでしまっていました。

「家事労働」の意味をWikipediaから引用すると、

「これは家庭内において主婦が行っている家事というものも労働であるという概念である。
労働というのは本来はそれに応じて賃金が支払われるのであるが、家事労働の場合は賃金が支払われない無償労働であるということが問題ということである。
従来は家事というのは職場の外で行われることであり、これは労働とみなされていなかったが、資本主義社会においては家事というのは労働力の再生産に不可欠な行為であり、資本主義経済を成り立たせるためにも不可欠な存在であることから労働であると主張されるようになってきた。
労働というのは自給自足の社会においては家庭を意味する本質的な事柄であったのだが、社会が分業化されることにより労働というのは社会参加して賃金を獲得するための手段へと変わっていき、家事という労働のみが家庭に残っているということから、現代では家事労働というのが家庭の本質的な意味であると見られる。」

資本主義社会を是とする社会全体の中で誰かが主張してしまったのです。

「家事というのは労働力の再生産に不可欠な労働である」と。

もちろん、こうした考えは時代によって生まれたものですから、その当時は正しい考え方だったのでしょう。
特に、20世紀、国と国とが戦争により奪い合い、勢力を拡大し続けた時代。
日本でも「産めよ増やせよ」が合言葉だった時代には、それが女性の幸せだったこともあったのでしょう。家事労働や育児は社会への参加そのものでもあったのでしょう。

ただそれは、マルクスが資本論を書いた200年も前の話です。
今、この考え方が皆を苦しめているように思います。

家事は労働だからその価値は貨幣で換算できるんだ。

誰かが労働力を提供しなくては解決できないことなのだから、共働きなら夫婦が同じように労働力を提供しなければいけない。専業主婦は割りが合わない。
こうした古い価値観の中で、家が本来の役割である安らぎの場所でなくなってしまい、女性も男性も生きづらさを感じているというなら、何かを変えるときにきているということなのではないでしょうか。

一方で、現代社会は巨大化し複雑化しています。制度を変えたり、組織を変えたりすることが、とても個人の力ではできないと感じてしまいがちです。
政治家でもないかぎり、「どうせ私一人の力では、何も変わらない」。

私自身もそうおもっていました。

ここに“とても小さな”解決方法があります。

あなたは、社会は変えられないかもしれませんが、家庭を変えることは簡単にできます。

世界を幸せにすることはできないかもしれませんが、家族を幸せにすることは簡単にできます。

そして、そんな幸せな家庭が日本中に広まり、すべての家庭が愛と感謝に満たされたとき、もしかしたら世界が変わるのかもしれません。

 

まずは、時代に合わせて、あなたの家の事情に合わせて、家事の意味を自分で定義しなおしてみてはどうでしょうか。

『家事リスト』を作って、家族で家事を共有してみてはどうでしょうか。
『家事リスト』を実行しながら、あなたの家庭での家事の意味を考えてみてください。

家事が「愛情表現の一つ。愛を与え合い、家庭を愛と感謝でいっぱいにする行為」になったとき、家庭が変わっていくのを感じることできるかもしれません。

家事や育児、介護の意味が変われば、今ある社会問題に個人としてどう取り組んでいけば良いのかが見えてくるかもしれません。

さまざまな社会問題は、個人レベルで考えると大きく3つに分類できます。1番目は自分の世代のこと、2番目は子の世代のこと、3番目は親の世代のこと。
私たちは日々の生活で、家庭レベルでそれぞれの世代と関係性を持っています。

家事は自分の世代と、育児は次の世代とそして介護は前の世代との関係性です。

つまり、自分自身が幸せになることで、社会問題は解決することになります。

解決策は愛です。愛という関係性は最強です。

物の豊かさを求めていた時代には、男女の分業はとても理に適ったシステムでした。

ところが、社会が物の豊かさから心の豊かさを求める時代に変化しています。心の豊かさってなんでしょうか。それは、さまざまな関係性が愛でつながるということです。

今までは、男性だけが対外的な社会を背負って頑張ってきました。そのおかげで日本の繁栄もありました。

そして、この先は、男性と女性が家庭内でも社会でも協力しあい、愛という関係性でつながった、今よりも豊かな社会・国になっていくことでしょう。

いろんな個性をもった人たちが尊敬しあい、それぞれの能力を十分に活用できる社会システムのベースは、まず家庭から作っていけるのです。

帰りたい家庭。

自然と仕事を効率化し早く帰宅したいと思う家庭。

家事をしたいと思う家庭。

家族が全員幸せと安らぎを感じることができる家庭。

そんな家庭が社会を変えていくのかもしれません。

 

ケネディ大統領の弟のロバート・F・ケネディが大統領予備選で40年前こう語っていたといいます。

「GNPは、私たちの機知や勇気も測っていなければ、知恵や学び、思いやりや国への献身も測ってはいない。一言で言えば、GNPはすべてを測っているが、それは人生を価値あるものにしているもの以外のすべてだ」

経済活動の中で、GNPやGDPはお金がどのくらい回ったかを表しています。それは、人間の体の血液量のようなものです。そして、GNPやGDPで測れないものは、リンパ液のようなものと言えるかもしれません。

血液は、心臓がポンプとして働き、全身を巡ります。血液の成分が正常でないと貧血になるし、どこかで滞ると心筋梗塞や脳梗塞になり、まさに死につながります。

一方、リンパ液の方は普段あまり意識されませんが、リンパの流れが悪いと老廃物や毒素が体内に停滞して、体の不調や病気の原因となってしまいます。今の日本は、リンパの流れが悪い状態にあるのかもしれません。

リンパ液の流すのは心臓ポンプのような大きな組織ではありません。

運動で体を動かしたり、呼吸で横隔膜の動きを借りたり、体をなでるマッサージをするなどの外部の動きの助けを借りて初めて非常にゆっくりと流れていくものです。

体を動かしたりマッサージをしたりしてリンパ液をゆっくり流すように、家族のための家事を毎日心をこめてすることが、豊かな人生を作っていくことなのかもしれません。

 

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プロローグ 家事と言う名のラブレター

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幸せ6  人と比べなくなり自分流の家事・育児を楽しめるようになる

幸せ7  家族の歴史が紡がれていく

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幸せ番外編    社会問題としての家事労働

エピローグ 

 

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コラム2 うまくいっている家庭は自然とやっている

コラム3  男性にとっての家事

コラム4  専業主婦がいる家庭の夫の言い分

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コラム6   あなたは夫婦で幸せになりたいですか?

 

 

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