「絶対値」って何なの?

「絶対値」って何なの?

「絶対値って何なの?」

こどもが小学生のころのママ友に聞かれました。

「0からの距離のことだよ。例えば5と-5はどっちも0から5だけ離れているから両方とも絶対値は5だよ。」

「どういうこと?」

「だから、数字から符号を外したものっていうか」

「それは「絶対」なの?」

「・・・」

 

彼女が言いたかったのは「絶対値」の数学的定義ではなくて、

その概念をなぜ「絶対」と呼ぶのか、本当に絶対なのか?ということのようでした。

それはある意味数学者の言語感覚どうなの?という問いに聞こえました。

 

ライターでもある彼女は言語センスがずば抜けて優れているので「絶対」という言葉を安易に使ったりしないのでしょう。

「絶対」という言葉に対するそれこそ絶対的な基準があって、「0からどれだけ離れているのか?」に「絶対」を使われてしまって混乱してしまったのだと思います。

 

私はそのときに、自分の文章に欠けているものを悟りました。

言語選択に対するセンスが、「絶対値」を言葉として不思議と思わないレベルでしかないのだと。

 

そういえば、数学を本格的に学び始めた頃

「たかだか可算」という言葉の洗礼を浴びました。

数学の世界で、集合の個数がどのくらいあるかをあらわすのに日常的に使います。

「たかだか可算」は数え上げることができるという意味で、数え上げられれば個数は無限個あってもかまいません。

無限個あるものたちに対して「たかだか 」って言い切るそのセンスには、さすがに驚愕しました笑

 

数学はギリギリまで本質を見つめる学問です。

数学的な考察は、これとあれとこっちと、一見違うように見えるものの子葉を取り除き本質を見つける作業が基本となります。

矛盾がないということがすごく大切です。

それが言葉の選択に躊躇がなくなるということにつながるのかもしれません。

そして数学者の頭の中では「たかだか」という言葉は「無限個」と矛盾しないのです。

 

私もいつしか「たかだか可算」という表現に違和感を覚えなくなっていきましたが、その後会話で使う言葉がおかしいと言われ始めました。

自覚はないのですが、活字としては見たことあるけど日常会話では使わない言葉を使ってしまうのだそうです。

「まさに三すくみ状態だね」とか「隔世の感がある」とかを、日常的に使います。

表現する状態と言葉が矛盾しない限り、どの言葉を使っても良いと思っている風があります。

 

たまちゃんの言語センスは「たかだか可算」に出会った時にどこかが壊れてしまった気がします。

 

そんなたまちゃんからの手紙を今日も読んでくれてありがとうございます。

 

たまちゃんより

 

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