ジュネーブで考えたこと2

ジュネーブで考えたこと2

5年ぶりくらいにスイスに来ましたが、今回物価が異常に高騰しているのに驚きました。

といっても、インフレが起きているわけではなくて、これはあくまでも為替レートの影響です。

5年前には円高だったので1スイスフラン65円くらいだったのが、今は1スイスフランは130~140円です。

日本人にとっては物価が突然倍になったわけです。

例えば、ビッグマックが14フラン(1,900円弱)します!

 

 

為替レートといえば、今年の1月にスイスフランショックというのがありました。

ヨーロッパのEU加盟国はユーロという通貨を使っていますが、スイスはEUには加盟せず、昔ながらのスイスフランを使い続けています。

そして、スイス政府は1ユーロに対して1.2スイスフランを上限に設定して中央銀行が介入を続けていました。

それが、今年の1月に突如もう介入しません!と表明して起きたのがスイスフランショックです。

中央銀行の介入がなくなると、スイスフランはどんどん高騰して一時は1ユーロ0.85スイスフランまでになりました。

これはどういうことかというと、昨日まで100ユーロだせば120スイスフランの比較的高めのスウォッチが買えたのに、次の日には85スイスフランの比較的安めのスウォッチしか買えなくなってしまったということです。

最近は、1ユーロ1スイスフランちょっとくらいに落ち着いていますが、こういう状況を見ると、お金って何だろうって考えてしまいます。

 

お金は、おそらく人間が発明したものの中でも一番影響力の強いものの1つだと思います。

株価や為替といったマーケットが生みだして、その動きはまるでそれ自体が意思をもっているかのようです。

政治や経済のみならず、歴史や占星術にも影響を受けていると言われています。

スイスの国立銀行が介入を続けることがむずかしくなったように、完全に人為的にはコントロールできません。

個人レベルでも、お金のせいで判断を誤ったり、まるで人の価値まで図ることができるような錯覚に陥ったりします。

そして、人を殺すこともあります。戦争を引き起こすこともあります。

コントロールが難しく、人間を殺すことが可能だという意味では、核兵器などに似ている側面があるのかもしれません。

 

以前、世界を人体に例えたら、お金は血液のようなものなのではないかと考えたことがあります。

人間の身体が血液だけで健康を保てないように、リンパ液のようなものが全身に行きわたり循環する必要があるのではないかと。

それは、愛とか思いやりとか、そういうものなのではないかと。

 

平均賃金が高く物価が高いスイスで美しい自然に囲まれていると、それが実感できるような気がします。

物価が高いということは、例えば農業などにも仕事量に応じた十分な金銭が分配されているということです。

昨年、国民投票で否決はされましたが、最低賃金を時給22フラン(3,000円弱)にしようという法案が提出されたそうです。

最低を決めようという話ですから、すでにおおむね時給22フラン以上は支払われていると言われています。

賃金の不均衡を労働価値の不均衡と考えれば、そこには搾取的な意味合いがありますが、スイスにはそれが少ないということが言えるかもしれません。

農業に関していえば、安全性に対して厳しい規定があるため、価格が下がらないという一面もあるようです。

それは、経済という血液だけでなく、自然との調和、健康、自尊心といったリンパ液もまた大切にしていることのような気がします。

 

スイスは緑が豊かで自然が多く、日本人に人気のある観光地の1つです。

チューリッヒなどの都会では、犯罪なども多いと聞きますが、地方都市では他のヨーロッパでは味わえないような安らぎを感じます。

前回訪れた、マッターホルンの麓の街ツェルマットではあまりに日本人が多くて、ここは高尾山かと思ったほど笑

本当は私たちにはその価値が十分にわかっているのかもしれません。

 

 

そして日本にも、他国がうらやむような美しい自然があり、誠実で勤勉で優しい人たちがたくさんいます。

それらの価値を守ることは、経済を強くする以上に大切なことなんだろうなあ、そんなことをこの国で考えています。

 

ジュネーブにて2 たまちゃんより

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