ローマで考えたこと4

ローマで考えたこと4

今回のローマ行きの前にたまたま行った森鴎外美術館で、鴎外がアンデルセンの「即興詩人」の翻訳をしていることを知りました。

 

主人公のアントニオはローマ生まれ。

この本はイタリア紀行の面も持ち、かつてはこの本をもってイタリアを旅することが流行したとか。

そんな高尚な知識を持たない私ですが、そんな風にイタリアを旅するのは楽しいだろうなあ、と思い立ちました。

が、当然ながら文語体の「即興詩人」にはすぐに挫折し、森まゆみさんの「即興詩人のイタリア」というエッセーをみつけ、これなら読めそう。

が、それすらすべてに目を通すこともできないまま、最初の部分だけチラホラつまみ読んでローマに来ました。

 

「即興詩人」の冒頭は、幼きアントニオについて書かれています。

唯一森鴎外翻訳の「即興詩人」で読むことができたのがその部分です笑

そこで今回は、アントニオが生まれて育ったバルベリィニ広場と、そのそばにある骸骨寺を訪れることにしました。

 

バルベリィニ広場はスペイン広場からほど近く、トリトンが4頭のイルカにのって、捧げ持つ貝殻から水が噴き出す噴水があります。

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ほとんど観光地とは呼べないので人もチラホラ。

私1人が熱心に写真をとっているおかしなアジア人でした笑

 

幼いアントニオが母に連れられて通ったのが、このすぐそばにあるサンタ・マリア・デルラ・コンチェツィオーネ教会

ここが骸骨寺と呼ばれるのは、納骨堂の漆喰の壁の装飾がすべて僧の骨を組み合わせて模様を作っているから。

アントニオはそれを「忌まわしくも、又趣無きもの」と感じる、と書いてあります。

 

それらしい教会を見つけて入ってみるものの、意外に普通の教会で、忌まわしい感じがまったくありません。

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教会の中の人に、本の写真を見せて、これはここか?と聞くと、

ああ、あなたは日本人か?と言われたので、なるほどこの本を片手にこの教会を訪ねるひとがたまにいるようです。

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そして、隣に併設してある博物館に連れて行ってくれました。

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ところが、案内された博物館は綺麗な法衣などが飾ってあるだけで、全然忌まわしい感じがなくて、拍子抜けしながら眺めていると、なんだか一際奥深いところから、すこし下に下がる階段が。

なぜか誰も行こうとしません。

 

恐る恐る降りてみると・・・ああ、それはまさに、本に書かれているように、本当に「忌まわしくも、又趣無きもの」そのもの・・・

写真をとることは禁止されていたし、納骨堂なので写真を撮ってはいけないような気もし、そして、なんといってもそんな気がおきないようなものたちでした。

それは、この旅行中一番衝撃的で、忘れられない光景でした。

子ども時代にこれを見たアントニオは、さぞかし恐ろしいと思ったことでしょう。

 

また、この本を読んでぜひ行きたかったのが古アッピア街道。

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この道はローマからナポリまで南下している街道で、背の高い松や糸杉に沿って、ところどころに四角く切り出された古代ローマ時代の岩が今もあります。

道路も舗装されずかつてのまま。まるで馬車の音が聞こえてきそうな感じです。

 

ただし、こちらもいるのは私だけ笑

 

ガイドブックの代わりに文芸本を持つ、そんな新しい旅の楽しみ方を発見した気がしました。

 

もしまたイタリアにくる機会があったら、アントニオが歌姫を巡って友人と決闘をし、誤って殺してしまったと思い込んでアッピア街道を通って逃避行したナポリに行ってみたいなあという新たな野望が。

それまでには、もう少し「即興詩人」を読み進められるといいのですが笑

 

 

ローマにて4 たまちゃんより

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