公平って・・・

公平って・・・

アクチュアリーをしているので保険料の計算を頼まれることがあります。

「Aさんがn年間に死亡したときや病気になったときなどの困ったことが起きたらyという保険金を支払います。そのためには、会社はAさんから毎月いくら保険料をもらえば良いでしょう?」

という問題に対する答えを計算します。

 

前にも書いたように、計算式を出すことは保険数学の知識があればできるし、計算はエクセルでもできます。

一番難しいのは、保険事故が発生する(困ることが起こる)確率を求めることです。

 

保険は「大数の法則」が成り立つことを前提とした仕組みです。

1人の人がこの先1年間に死亡するかどうかは神のみぞ知ることなのですが、10,000人いたらそのうち何人の人が死亡するかは統計的にだいたいわかります。

大勢の人を集めて、そのうちの誰かが死亡した場合には、困っているその人にお金を払って助けよう、というのが保険の基本的な考え方(相互扶助)です。

困っていることが起きた人にまとまったお金を渡すために、一人からはいくらお金を集めればいいかを計算したものが保険料です。

アクチュアリーは、統計的な知識を使って、公平かつ十分な保険料を計算することが期待されます。

 

 

例えば、65歳までに死亡した場合100万円お金を払うことにします。

0歳から65歳まで亡くなる確率は0.2%ということがわかっています。

その場合、0歳から65歳までの全員から集める保険料は1人2,000円。これが答えです。

 

ところがさらに、男性だと0.3%、女性だと0.1%だということが分かっている場合はどうでしょうか。(実際もおおよそこのくらいです)

その場合、保険料は男性3,000円、女性1,000円。これが答えです。

 

同じ問題に対して、答えが2つでてきました。

どちらが正しい答えでしょうか?

 

日本では、男女別に保険料を分けることが一般的なので、

日本のアクチュアリーにとっての答えは男性3,000円、女性1,000円です。

 

ところがEUでは、EU指令をうけて保険料を男女別にすることが禁止されています。

つまり、EUのアクチュアリーにとっては、答えは1人2,000円です。

 

 

私は、ずっと日本の答えの方が合理的だと思っていました。

明らかに統計的に差異がある母集団に対しては、当然その差異を考慮すべきだろう、と。

 

ただ、最近EU的な答えを正しいと考えると、社会が変わるんじゃないかと思い始めています。

さまざまな社会制度から男性・女性という区別を全部なくしたら、人は何を感じ、どんな風に行動するのだろう、と考えています。

男性・女性という性差に対して、社会制度がまったくないとしたら、行動は変わるでしょうか?

変わるとしたら、どんな風に変わるのでしょうか?

 

統計は偉大なる知恵です。社会制度を考えるときに何が合理的なのかを判断するのにも役立ちます。

だけど、あえて統計を離れ視点を変えるてみると、違う未来が見えてくるかもしれないなあと思うのです。

 

アクチュアリーとしては限界を迎えた(限界を超えた笑) たまちゃんより

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