
指使い
ナーラー・ヨガをするときには、まず足を平行にして立ちます。
ただし、平行にするのは足の中指。
やってみればわかりますが、中指を平行にしようとするとそうとう内股になります。
最初はすごく違和感を覚えるのですが、実はこれが自然な立ち姿なのかもという気がしてきます。
そうしてそれが自然になったからなのか、最近不思議と気が散らなくなったような気がします。
指の不思議さといえば、次に不思議なのが手の小指。
普段あまり気にしないのですが、気づけば小指が少し他の指から離れてしまいます。
小指が離れなくなると強くなるよ、というのが師匠の教えですがと、これがなかなか難しい。
上手くいかないなあ、と思っていたら、思わぬところにヒントがありました。
表千家の堀内宗心氏が書いた「日々のけいこ」と言う本の一節に
「物を持つときには、かならず親指と中指とに気持ちをこめて持つように・・・
人差し指は「知」の象徴であるため、人差し指に集中しますと「知に走る」といって、知覚的に物を把握するだけのことになります。・・・
ところが親指と中指とで物を持ちますと、身体全体が物と一体となっていることが感ぜられる・・・
物と自分との間に働く大きい真理の仕組みがあることに気づくのは、禅の片鱗に触れはじめる時でもありますが、脳医学的にも証明できるようです。・・・
中指に心を移せば、自然と小指までが揃うようになります。・・・」
もしかしたら、答えは中指にあったのかも。
さっそく、中指をすっと伸ばすように意識してみると、たしかにいつもと身体が変わるのがわかります。
手首がすっと伸び、肩と肩甲骨が下がり、そして小指が薬指に寄り添うようになります。
おーーーー。
さらには、若干呼吸が深くなるような気も。
それに、中指が一番長い指ですから、これがスーッと伸びていると手全体が綺麗に見えるような気もします。
さっそく師匠に「中指を意識するといいようなんですが。」とお伺いをたてると
「そのとおり。中指を意識して生活をするのはとても良いこと」とのお墨付きをいただきました。
それにしても、どの指を意識するかでこんなに違うなんて驚きです。
そういえば、古武術の甲野善紀氏の本に「虎ひしぎ」という指の使い方が載っていたのを見たことがあります。
手の指の全部を軽く曲げた状態で、小指をそらせるように力を入れると、腕全体に力を入れられるようになるのだとか。
介護などで、身体を持ち上げたりするときに指をこの形にすると、楽に相手を持ち上げることができるそうです。
指の使い方ひとつで、身体が変わるなんて本当に不思議です。
そして、さらに不思議なのが気持ちも変わるということ。
ずっと昔から知られているそういう知恵は、ヨガや茶道や武道、禅をとおして現代に脈々と伝わっていたのに、今までそのどれとも関わりを持たなかったのが本当にもったいなかったなあ。
さらに、ふと思い立ってパソコンのマウスを左利き仕様にしてみました。
左利き仕様だと、通常のクリックを中指でするようになります。
これが何か影響があるのかどうか・・・また報告しますね。
○十の手習い たまちゃんより。
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