「新しい」という価値、「古い」という価値

お茶の世界には炉開きという行事がある。

夏の間は風炉と呼ばれる、外だしの炉に茶釜を載せてお湯を沸かすのだが、11月ころからは掘りごたつのように畳を切った部分を炉として、そこでお湯をわかすようにするのだ。

炉を開けるから炉開きという。

 

私のような人間は、炉が床下暖房のような役割も果たすから合理的だなあ、などという風流もへったくれもない感想をもつのだが笑、

季節感を大切にするお茶の世界では、一年の中でも最も大切な行事なのだそうだ。

 

お茶の世界の新年とも言われていて、炉開きに合わせて柄杓や茶筅、茶巾などの消耗品をいっせいに新しいものにする。

一方で、ちょうど衣替えをするように、季節に合わせたお茶碗や掛け軸などが使いやすい場所に移動される。

 

その両方の作業を手伝いながら、物にはそれぞれ独自のエネルギーがあるのを感じた。

大きく分けて2種類のエネルギー。

1つは新しいほどエネルギーが強いもの、もう一つは古いほどエネルギーが強いもの。

 

ご存知のように、お茶の世界ではお茶碗や茶杓など骨董的な価値を持つものが大切にされるのだが、それは、その物たちが時を経るごとに、人を経るごとに、エネルギーをどんどん蓄積していっているからなんじゃないだろうか。

一方で、新しさが強いエネルギーを持つ柄杓や茶筅などは、時間がたつとそのエネルギーは少しづつ減っていくのではないだろうか。

 

ちょっと話が飛ぶが、不動産業界では「新築マンションは買ったとたんに価値が2割下がる」と言われているようだが、逆を言えば、新築すなわち住居が新しいということは、それだけの価値があるともいえるのではないだろうか。

 

さらに話は飛ぶが、物を捨てるかどうか迷ったら、その物が「新しい」ほうがエネルギーが高いものなのか、「古い」方がエネルギーがあるものなのかを考えてみるのも良いかもしれない。

「新しい」方がエネルギーが高いものは、古くなったらさっさと捨てる。

「古い」方がエネルギーが高いものは、丁寧にメンテナンスして育てていく。

 

うん。年末を前に、片づけが進みそうな予感がする。

 

「古い」からこそ価値のある人間になりたい たまちゃんより

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