
器が大きい
もはや、シリーズ化した方が良いくらい、私のお茶席での失敗は続きます・・・泣。
先日、お稽古場の有志が主催する「七夕茶会」がありました。
気楽にどなたにも来ていただける薄茶のお茶会ということで、茶歴の浅い私も主催の末席に加えてもらいました。
とはいえ、事前の準備、当日のお客様のおもてなしから片付けまで、どんなお茶会でも同じ心構えで行うのが、お茶の世界。
お点前もおぼつかない私は、お客さまの直接のおもてなしで粗相があってはいけないので、裏方仕事に一日徹するつもりでいました。
ところが、器の大きい先輩お稽古人の方から、半東をやってみれば、というお言葉が。
半東というのは、お点前をする亭主のお手伝いをする役です。
今回のお茶席では、お客様にお茶を運んだり、その時々のお客様に合わせて、道具や床のお話しをしながら楽しんでもらうという大役です。
普段だったら、恐れ多くてそんな役を引き受けたりしないのですが(たぶん)、時差ボケによる睡眠不足と熱中症になりそうな暑さの中で判断力がにぶった(たぶん)私は、「えー」といいながら、チャレンジしてしまいました。
ここからは半分記憶喪失状態笑
記憶はないながらも、なんとか終わって、先輩の方にも「良かったよ」と言われたとたんに、ふーっと息が抜けて記憶がよみがえりました。
あれ?私次席のお客様にお茶運んだ?
その席では、8名のお客様が席入りされたので、その場のお点前でお茶を点てるのは3名様分で、それ以外は水屋で準備したお茶を運んで召し上がっていただくことになっていました。
その8名の方にお茶をお渡しするのも私の仕事だったのですが、どう考えても2席目の方にお茶をお渡しした記憶がありません・・・汗・・・
でも、次席の方は確かにお茶を飲んでいらっしゃったような・・・
ああそうか。
お点前をされていた先輩稽古人の方が、お茶を運ばない私に気づいて何事もなかったようにフォローしてくださっていたんだ・・・
そういえば私、お茶碗の説明もしていない・・・
そういえば私、・・・
出てくる出てくる。失敗の数々。
穴があったら入りたいというか、穴を掘ってでも入りたいというか。
そのあとは、他の方が半東をするのを食い入るように見ている自分がいました。
今まで見えていなかった気づきがたくさんありました。
負け惜しみではなく、こうやって人は失敗のたびにちょっと器が大きくなって、新しいことが入っていくんだなあと感じたのでした。
それにしても、「やってみれば」と言ってくださった先輩も、「良かったよ」と言ってくださった先輩も、私の代わりにお茶碗を運んでくださった先輩も、なんと器の大きいことでしょう。
やってみればと言っていただいたことで、失敗をさせてもらうことができました。
「良かったよ」と言われたので、失敗を受け入れるだけの余裕ができました。
ダメ出しされていたら、自分を守るために、自分の失敗を認めなかったり誰かのせいにしたりしていた気がします。
そして、私が失敗しても、お客様には絶対に失礼がないようにフォローしていただいていました。
人を育てるって、そういうことなんだなあ。
実はこの素敵な先輩方、全員私よりうんと歳が若いんです。
いやあ、日本の未来は明るい。
年齢に関係なく、人を育てる人、器の大きい人、つまり大人にしてくれのもお茶の魅力の一つなのかもしれません。
私も失敗をさせてあげられるくらい器の大きい人になろうと、七夕の笹を見ながら思ったのでした。
今から大人になる予定の たまちゃんより
※その後、次席の方へお茶を運んでくださったのは、なんと正客(こちらも若くて素敵な先輩お稽古人の方)だったことが判明・・・
ああ、皆さま本当にありがとおおおお!
もはやいろんな意味で涙目のたまちゃんより
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