好きなこと

近所の歯医者さんは同世代の女医さんなので、

最近は、ホットフラシュねたで盛り上がる。

 

そんな彼女とのある日の会話

「子どもが熱を出したときに、仕事に行かなくちゃいけなくて、小児科の待合室でバイバイしたことがあってつらかったわ。」

「そうそう。夫はそういうとき自分が医者につれていかなくちゃなんて発想、絶対ないんだよね」

「そうそう。そして、あなたは好きなことしているんだからって言われちゃうのよね」

 

こうして「そうそう。・・・」から続く会話は延々と続く。

 

女医さんに限らず、同世代のワーキングマザーとは、大変だったこと、楽しかったことが似ているので、それだけで戦友のような気持ちになる。

そんな私たち世代のワーキングマザーあるあるの一つは、

「でも、好きなことしているんでしょ」

の一言で、子育ての大変さを我慢した経験があることだ。

 

やりくりすれば夫の収入だけで生活できないわけではないので、女性が仕事をすることは自分の選択(=好きなこと)というとられ方をしていた。

だから、基本の仕事である家事・育児のほぼすべてを担うことが当たり前だと思われていた。

 

でもよく考えれば「好きなことしている」人は、大変なことを引き受けて当然というのは相当おかしな話だ。

大変なことを免除されたければ、「好きなことをしているわけではない」というアピール合戦になってしまう。

それは相当にむなしい。

というか、積極的に間違っている。

 

むしろ、「好きなこと」をしている人は優遇されるべきだと思う。

「好きなこと」している人は「いやいやさせられている人」に比べ格段にクリエイティブだし、いい仕事をする。

少しばかりの才能なんて、長い目でみれば「好きなこと」をしている人にはかなわない。

 

だから本当は、女性に限らず、「好きなこと」をしている人のことは、全力で応援すべきなのだと思う。

「好きなこと」に全力で取り組めるようにサポートすべきなのだと思う。

 

もちろん、仕事を「いやだけど、我慢してやっている人」はとても頑張っていると思う。

でも、だからといって偉いわけではない。

「好きなこと」をしているのを邪魔をしていいわけではない。

 

歯医者で大口をあけ、キーンという音を聞きながら、

「あのころの自分に、教えてあげたかったなあ」

と、そんなことを考えた昼下がりだった。

 

本当は歯医者が大嫌いなたまちゃんより

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